幸せ読書

読書を通して、小さな幸せ見つけたい。

「かがみの孤城」 辻村深月 ポプラ社

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
(紹介文引用)
 

この小説、今読み終わったところなのですが、後半、怒涛の展開で、ページをめくる手が止まらず、どんどん読み進められ、とても面白かったです。

ただ、この作家さんの作風がそうなのか、たまたま、この作品がそうなのかは分かりませんが、ストーリーの前置きがかなり長いなぁと思いました。登場人物のことを丁寧に描いているのは、分かるのですが、前半、もう少しコンパクトに書いてくれたなら、途中で、もう読むのを止めようかなと、思わなくて済んだのにと。

自分の子供が不登校で学校に行っていないのに、その事情を親が理解するまでにかかる時間が長すぎると思いました。最終的には主人公の母親が、不登校になった事情をしっかり理解して、一緒に頑張ってくれたのは、良かったです。

あまり書くとネタバレになるので、控えますが、かがみの城に集められた少年少女達に隠された共通項があった時は、驚きました。それが、後半のもっと大きなトリックがあったことには、驚愕しました。

この本を読んで、改めて、自分に友達がいてくれるありがたさみたいなもなを実感しました。それから、これからの社会には、不登校になった子が、学校以外に、避難出来る、本書で出て来たフリースクールみたいなものが、重要だなぁと思いました。我々、大人がしっかり考えなくては、いけないなと思いました。

本作品は、私が今まで読んだことのあるどの小説とも違い、作品の前半は、ヒューマンドラマの要素が、強く、後半は、ミステリドラマの要素が強かったです。純文学とミステリ小説の素晴らしい融合かなと思うような小説でした。

 

今夜の晩酌・お酒 第2回 木曜日だけど・・・

皆さま、こんばんは。

今日は、早くからお腹が空いていたので、早めの晩ごはんとなりました。
今夜のメインは串カツ!(大阪人らしいと、ツッコミが入りそうですが)
串カツに合うお酒といえば、やっぱりこれでしょうということで・・・

 

メーカー ヤッホーブルーイング株式会社

品名 水曜日のネコ

◯香りは? 少し爽やかな香り

◯味は? フルーティーで少し酸味の効いた味

◯アルコールは? 5% 普通

◯好き度 ★★★★★

やっぱり、串カツにはビールが合うでしょうということで、
今夜の晩酌のお酒は、今日は木曜日だけれど、
水曜日のネコ」ということになりました。
このホワイトエール好きなんですよねぇ〜。

メインの読書の記事より頻度が高くなっている(汗)
サブコーナーの「今夜の晩酌・お酒」のコーナーでした。

機会があれば、また。

新設サブコーナー「今夜の晩酌・お酒」第1回

皆さま、こんばんは。

今夜は、妻の退院祝いということで、
家でしゃぶしゃぶパーティーをすることにしました。

せっかくのお祝いなので、日本酒を飲むことにしました。

当ブログの新設サブコーナー「今夜の晩酌・お酒」の記念すべき第1回目です。

メーカー 朝日酒造株式会社
品名 久保田 万寿

◯香りは? ほのかな澄んだ米の香り

◯味は? 口の中で円やかにかつ華やかに広がる良いお味がしまする。

◯アルコールは? 15度 普通

◯好き度 ★★★★★

とても気持ち良く飲めました。
また、機会があれば次回も。

「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ 中公文庫

 

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。
何も届かない、何も届けられない。
そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
(紹介文引用)
 

この本は、私の敬愛する読書家のべるさんが、2021年ノンミステリーのランキング1位に選んでらしたのと、本屋大賞受賞作品だったので、どんなのかなと思い読んで見ました。

本作は、過去に虐待を受けて育った主人公の女性(キコ)と、現在、虐待を受けている子供(いとし)との出会いと愛情と魂の交流を描いた小説です。

虐待について本で具体的な内容を今まで読んだ事が無かったので、キコが幼少期に受けた虐待のシーンが壮絶であまりに痛々しいので、目を覆いたくなる時もありました。しかし、そういう虐待の現実もあるのだと、知っておかねばと思い、意を決して、目を見開いて読みました。私は、虐待をしている親、圧倒的に力の無い弱者である子供に暴力を振るったり、食事を与えなかったりする親に、非常に憤りを感じました。そして、心から守ってあげたいと思いました。

周りの人には、なかなか届かない心の叫びと言っても過言ではないと思える、虐待で心に深い傷を負った人間の心の声と、他のクジラには聞こえない52ヘルツで鳴くクジラの声とが、見事に呼応していて、素晴らしいなぁと感じました。

でも、ストーリーの中にキコの52ヘルツの声(心の声)を聞き取ってくれて、救ってくれるアンさんの存在があって本当に良かったなぁと思えました。アンさんがキコに優しく言葉をかけてあげてそれを聞くキコの心情を考えると、胸が締めつけられて、涙が溢れそうになりました。

また、本作の舞台である大分の漁師町のお婆さんが言った「人は与えられる側から与える側にまわらないといけない」になるほどなぁと含蓄のある言葉に感心しました。だから、キコは、自分に与えられた愛情を、今度はいとしに与えようと必死に頑張ってるんだなあと思いました。同じ傷を負った人間だから、他の人よりキコはいとしのことが分かったんだとも思いました。

この先はどうなるかは描かれていません。あえて描かれていないのだとも思いますが、キコといとしが、愛情のある人間達の中で生きて行ってくれることを願ってやみません。

最後に蛇足ですが、本作の最後の辺りで、キコと友人の美晴が大量にビールとジュースを買ってきたシーンがあり、前出のサチゑ婆さんは、「最近の若い女はビールなんぞで満足して軟弱な。麦を飲まんかい、麦を」と顔を顰める。との文章が出てきて、麦を飲む?と思ってたら、そう言えば、ここは大分県だったんだ。麦焼酎の名産地だよねーと納得。なんか、ちょっと笑えて嬉しかったです。

退院日が決まりました。

今日、病院に妻の面会しに行って来たところ、妻の退院が1月16日火曜日に決まりました。

皆さまには、大変ご心配をおかけしておりますが、ちょっと嬉しい知らせでしたので、ご報告をと思いまして。

今回の妻の手術のことで、本当に多くの方に応援して頂いて、支えて頂いて、そのおかげで、妻も私も乗り越えられたのだと思っています。

皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございました。

無事、手術終わりました!ご心配をおかけしました。

今さっき、妻の入院している病院から電話がありまして、
妻の手術が無事終わったそうです。

合併症とかも一切なく、手術は順調に行えたそうです。

退院については、明日以降の体調を見ながら、御本人と相談して決めたいと思ってますと手術を行って下さった主治医の先生が仰ってました。

大変ご心配をおかけしました、べるさん、わぐまさん、ムっくんさんをはじめ、
このブログを見て心配してくださったすべての方に、感謝しております。
ご心配頂き、誠にありがとうございました。

電話があるまで、ずっと心配しておりましたので、今、ようやく、ホッとしました。

「ラブカは静かに弓を持つ」安壇美緒 集英社

 

武器はチェロ。
潜入先は音楽教室
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
(紹介文引用)
 

本作は、音楽教室を通しての、講師と生徒の関係、生徒同士の関係と人間関係をじっくりと丁寧に描かれています。その音楽教室で、スパイとして、潜入した主人公が、自分の講師や生徒仲間たちが温かくて良い人間であればあるほど、自分のスパイ活動対しての葛藤や苦悶がひしひしと文面から伝わってくるところに、人間味を感じ非常に共感できました。

また、主人公の自分の仕事における矜持と、自分の行っているスパイ活動に対する後ろめたさとの整合性を取るのが如何に難しいかという点にも、なるほどなと、考えさせられる所があり非常に面白かったです。

それから、作者の安壇さんの心理描写にスピード感を持たせて描かれてらっしゃるところが、非常に上手で、凄い筆致だなと感服しました。

後は蛇足ですが、私も3歳から15歳まで、バイオリンを習ってたので、同じ弦楽器の仲間として、主人公の習うチェロに対しても非常に親近感があり、楽しく読ませていただきました。作中に出て来たバッハの『無伴奏チェロ組曲』第一番の、クーラントも実際に聴いて見ました。とても良かったです。

3歳の時初めてバイオリンを持った時、実際は、あごに挟んで、弦には、触らせてもらえず、まず右手で弓を弦に弾くことばかりだったのを思い出しました。この作品の講師の浅葉先生が、レッスンの時に、弦よりも、弓に意識を持ってと教えてるのが、私のバイオリンの先生の教えと一緒だったのにも、驚きました。

現実にあったJASRACヤマハ著作権使用料を巡る裁判という社会的背景の設定のもと、そこに生きる人間が丁寧に描かれ、またストーリー的にも中盤から、まるでスパイ映画を見ているようなハラハラドキドキ感もあってエンタメ要素も高く、非常に素晴らしい作品に出会えて幸せだなと思いました。